ノロウイルスについて
naanaをご覧のみなさま こんにちは
大分市保健所の保健師です。
朝夕はぐっと冷え込んできましたね。
日によって、1日の中でも気温差が激しく、
体がついて行かなくなってはいませんか?
こんなときは体調を崩し、いろいろな感染症に
かかりりやすくなってきます。
この冬の一番の感染症として思いつくのは、
感染性胃腸炎だと思います。
感染性胃腸炎の代表的なものでいえば「ノロウイルス」です。
「ノロウイルスで集団感染」「ノロウイルス流行の兆し」
とテレビや新聞で報道を目にしたこともあるのではないでしょうか。
そこで、今回は、この冬急増中の「感染性胃腸炎」について
お話したいと思います。
☆ ノロウイルスによる感染性胃腸炎について ☆
【特徴】
ノロウイルスの最大の特徴は、「感染力の強さ」です。
わずか、10~100個のウイルス量で人に感染します。
また、感染した人からの便や嘔吐物には、
1g中にウイルスが100万個は含まれているといわれています。
【症状】
感染から1~2日で嘔吐と下痢症状が
主な症状としてあらわれます。
人によって、38度程度の発熱、腹痛を伴うこともあります。
通常は、3日程度で回復し、後遺症もありませんが、
嘔吐物を気管につまらせたり、下痢で脱水症状が
強くあらわれることもあるので注意が必要です。
【治療】
ノロウイルス自体に効く薬はありません。
水分補給で脱水を防ぐなど、対症療法で回復を待ちます。
安易に下痢止めを飲んでしまうと、
病気の回復が遅れることがありますので、
自己判断の服用は避け、
医療機関を受診するようにしましょう。
【感染経路】
ほとんどが経口感染
(ノロウイルスが口の中に入り込むことで感染)です。
感染様式については、
○ 患者の便や嘔吐物から人の手を介して感染した場合
○ 家庭や施設など人が接触する機会の多いところで感染した場合
○ 汚染された二枚貝を生でもしくは十分に加熱しないで食べた場合
○ 食品取扱者が感染して、その人を介して汚染された食品を食べた場合 などがあります。
【予防法】
☆基本は手洗い
流水と石けんできちんと洗いましょう。
洗った後のタオルも清潔なものを使用しましょう。
① 外出から戻ったとき
② トイレの後
③ 食事を作る前
④ 食事を食べる前
☆ 食品の加熱
① 食材は十分に加熱しましょう
85度、1分以上の加熱でノロウイルスは死滅します。
② 加熱しないものはしっかり洗いましょう。
☆ 塩素消毒
① 嘔吐物の処理について
処理のときは、使い捨てゴム手袋やマスクなどして
感染予防に気をつけ、嘔吐物をふき取り、
その後消毒液でふき取り掃除をする。
※金属はさびることがあるので、10分後に水拭きしましょう。
【消毒液の作り方】
・塩素系漂白剤(「混ぜるな危険」「次亜塩素酸ナトリウム」等と
書いてあるのもの)を準備する。
・500mlのペットボトルにキャップ2杯(ペットボトル)の
塩素系漂白剤をいれ、水をいっぱいにする。
※アルコール消毒はほとんど効果がありません。
② 汚れた衣類などは塩素系漂白剤などで消毒しましょう。
※衣類は、漂白され色が落ち、白くなるので注意が必要です。
③ ドアノブ、トイレの便座なども消毒液で消毒を。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、
乳幼児が感染すると脱水症状が出やすいため注意が必要です。
色々な感染症もはやってきているので、
手洗い、うがいを忘れず、寒い冬を乗り切りたいですね。
以下のサイトより、ノロウイルスに関する詳しい情報を得ることができます。
ご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
(厚生労働省 ノロウイルスに関するQ&A)