2014年8月19日
子どもが『親離れ』するのはいつ?
みなさん、こんにちは!
大分市の臨床心理士です♪
猛暑日が続きますが、暑さとうまく付き合っていますか?
長い夏休み、家での過ごし方に頭を悩まされる方も多いかと思います。
家庭でゆっくり過ごす中で、いつもと違う子どもさんの姿に甘えを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
さて、今回、子ども家庭支援センターの臨床心理士がお伝えするテーマは『親離れ』です。
『親離れ』というと、みなさんはいつぐらいの年齢を思い浮かべますか?
『親離れ』という言葉は意味がひろく、その捉え方で時期も変わってきますが、
今回は、子どもと親の心の絆(きずな)と社会性の発達の視点から、『親離れ』について考えてみたいと思います。
~ 子どもと親の心の絆(きずな)~
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんのお腹の中から外の世界に出てきますが、別の個体という感覚がまだなく、
お母さんと一体化している、密着している感じの中で生活をスタートします。
お腹がすいた、眠たい、オムツが気持ち悪い、など本能的な欲求で泣き、お母さんたちにお世話をしてもらったり
抱っこしてもらうことで赤ちゃんは泣く(不快)⇒ 微笑む(快さ)に変わります。
この繰り返しを体験するなかで、赤ちゃんはお世話してくれる人の認識を深め、安心感を抱くようになります。
生後4~6か月になると、自分のそばに誰かいてくれることを喜んだり、お母さんが離れると泣くようになります。
自分と他の人が違うということは分かってきますが、まだ目の前の人がいなくなると本当にいなくなってしまったと
思ってしまい、泣いてしまうのです。
そして、生後7か月を過ぎるとお母さんへの安心感が深まり、家族と家族以外の人の区別がつくようになって、
人見知りや後追いが始まります。これは、それだけ赤ちゃんとお母さんや家族の人の間に絆ができてきている
ということの表れです。
人見知りや後追いで泣いた時に抱っこしてもらったり不安を受け止めてもらうことで、より絆が強くなっていき、
人見知りや後追いの時期を乗り越えていく力になるのです。
こうやってできてきた心の絆(きずな)は、『親離れ』していくうえで必要な心の土台になります。
~ 社会性の発達 ~
心の絆を土台にして、子どもは人や社会とふれあっていき、社会性が育まれていきます。
社会性とは、人が社会に適応していくために必要な様々な力のことです。
たとえば、『親離れ』できることも社会性の一つといえます。
保育園や幼稚園など家庭とは違う場所で過ごすには、『親離れ』できることが必要です。
『親離れ』といっても親と離れて暮らすという自立ではなく、親と離れていても、子ども
と親は家族という絆で結ばれていて、安心して家庭外で過ごせるようになるということです。
つまり、親の姿が見えなくても、心の中に親の存在を感じられるので、一人ぼっちだと
不安にならずにすむのです。
~ なかなか『親離れ』できないけど大丈夫?! ~
中には、人見知りが強かったり、不安がちな性格の子どももいるので、安心できる対象の親
から離れることに慣れるまで、時間がかかることがあります。
こういう場合は、環境が変わって不安な子どもの気持ちに寄り添いながら、少しずつ親と
離れることに慣れていけるよう、保育園や幼稚園の先生と相談しながらサポートしてあげる
とよいでしょう。
親や家庭を安全基地として、集団で過ごすなかで、徐々に『親離れ』をしていき、子どもの
社会も学校や地域へと広がって社会性が発達していきます。
時には、今までべったり甘えるほうではなかったのに、弟や妹が生まれて赤ちゃん返りをしたり、
環境の変化の影響で、抱っこを一日中求めたり、ぐずりや泣きが増えたりすることがあるでしょう。
子どもは大人ほど言葉の表現が豊かでないので、今まで外の世界で元気に過ごしていても、
そういう時は甘えたり泣いたり、行動で表現することが多いのです。
自分の安全基地で心のエネルギーを充電したら、また元気に社会に出ていくことができるように
なることがほとんどですので、その子のペースで見守ってあげると良いと思います。
保育園や幼稚園、学校に泣いて行きたがらないことが続いたり、赤ちゃん返りが長引いてご心配な
場合は、子ども家庭支援センターまでご相談くださいね。
ご家族と一緒に、解決に向けできることを考えていくサポートをしています。
それではまた、次回のブログでお会いしましょう!