反抗期にどう向き合う?
お久しぶりです。子ども家庭支援センターの臨床心理士です。
夏休みのお盆明けは、お母さん・お父さんの疲れが出やすい時期。
大人のリフレッシュも大切にしてくださいね。
さて、今回は、幼児期の反抗期と思春期の反抗期について、
臨床心理士の視点から紹介します。
■『イヤイヤ期』って何?
2~4歳頃のお子さんに見られる反抗期のことを『第一次反抗期』と言いますが、
これがいわゆる『イヤイヤ期』にあたります。
始まる時期や持続する期間には個人差があります。
心の発達という点から考えると、
イヤイヤ期は発達の過程で見られる行動の1つです。
これは、ワガママということではなくて、
"自己主張する力"、"自分でやってみたいチャレンジ精神"の芽生え
だったりすることがあります。
実際には、どんなに説明しても効果がなく、泣き続けたり、
その場で寝そべって手足をバタバタさせ続けたりするという姿が見られるかもしれません。
■思春期の反抗期
小学校高学年~高校生くらいまでの、いわゆる思春期に見られる反抗的な態度のことを
『第二次反抗期』と言います。
これにも個人差がありますが、幼児期のイヤイヤ期とは少し様子が違います。
心の発達という点から考えると、親のことが嫌いということではなくて、
"親からの自立心"の芽生えだったり、
初潮や声変わりなど、"急激な心身の変化(二次性徴)によるとまどい"の表れ
だったりします。
実際には、「激しく反抗したかと思うと急にベタベタと甘えてきて、
さっぱり意味が分からない」と思えるような状態が出てくるかもしれません。
あるいは、「いちいちうるさい。放っておいて」と、
学校生活や友達関係を秘密にして親と会話をしないお子さんもいます。
■幼児期の『イヤイヤ』への対処法
今回は4つの方法を紹介します。
① 気持ちや意図を理解しようとする声かけをする
「〇〇したかったのね」「プンプンなるね」「止められたのが嫌だったね」など、
親がお子さんの気持ちを代弁したり解説したりします。
言葉が十分に育っていないので、
自分の心の状態に言葉をつけてもらえることで安心したり、
そういった親の関心が向けられることで気持ちが落ち着いたりします。
② はっきりと伝える
ダメなものはダメとはっきりと注意することは決して悪いことではありません。
"強く言いすぎかもしれない"と親自身を責めてしまうこともあると思います。
ですが一方で、
「叱らざるを得ない子どもの状態にあるんだ。そういう親子関係の時期に入っている」
と理解することもあってよいと思います。
幼児期は、言われたことや周りの状況を理解することがまだまだ難しい年齢でもあるので、
OKなのかダメなのかを分かりやすく示してあげることが大事ですね。
「危ないからダメ」など、理由をはっきりさせて、
短く、毅然とした態度で注意する工夫を意識しておくと良いかもしれません。
もしくは、『〇〇してはダメ』という禁止のメッセージになりがちな場合は、
『○○しようね』と正しい行動をはっきりと教えるようにするとよいかもしれません。
③ しばらく離れて見守る
イヤイヤは、しつこく続くものばかりではありません。
時間がたつとケロッと忘れているような主張もあります。
気持ちを受け止めてもダメ、強く注意しても変化がない場合は、
少し離れて見守ってみましょう。
そうすることで、お父さん・お母さんもイライラせずに済みます。
離れている間は、子どもがクールダウンするタイミングを見計らって待つ
だけで十分ですよ。
④ 別の興味あることに誘う
イヤイヤの内容には、一見するとしつこいように見えて、
でも他の楽しいことが見つかると気にしなくなる場合があります。
例えば、
お子さんが好きな他のおもちゃを出してあげる、こちょこちょ遊びにもっていく、
泣いているお子さんのマネをして一緒に泣いて泣き声大合唱をしてみるなど・・・、
やりとりをしながら他の活動にシフトしていくとよいでしょう。
なお、2歳前後のお子さんは理屈を理解することが難しく、
その場限りの感覚的な自己主張になることが多いので、
④別の興味あることに誘う、が効果的な場合が多いようです。
また、3歳を過ぎたお子さんは言葉の理解がずいぶんと進んでいるので、
②はっきりと伝える、ことを意識しながら、
ある程度の理屈を説明することが必要になる場合が多いようです。
■思春期『第二次反抗期』の対処法
① 毅然と注意しつつ甘えは受け止める
常識的な理解ができる年齢になっているので、
理由を説明し、「〇〇だからダメ」と社会のルールとして注意する
ことが大事だと思います。
けれども同時に、ストレス発散や遊びに付き合う、
会話は少ないけど一緒にゲームをしたり、テレビ番組を見て楽しむなど、
まだまだ幼いなぁと思いながら関わることも大切です。
子どもの矛盾した言動に、お父さん・お母さんが慌てすぎないようにしたいですね。
②見守る・待つ・何かを『する』よりも変わらずに『いる』
この時期には、時にはお母さんではなくお父さんに話を聞いてもらう、
お父さんが忙しい時はおじいちゃんに声をかけてもらうなど、
色々な人の力を借りる方が行き詰まらなくて済む場合があります。
反対に、スキンシップなどの身体接触は、年齢的にも控えめにした方がよいでしょう。
そして大事なことは『自立を見守る』姿勢です。
いつもと変わらずに食事がある、家に帰れば家族がいる。
何か特別なことをするわけではないけれど、
当たり前の環境が変わらずに『ある』、親が『いる』ということが、
この時期の反抗期を親子で一緒に乗り越える上で大切な視点になると思います。
■行き詰まったら相談を
今回は年齢別にイヤイヤ期・第二次反抗期の理解と対応について紹介をしました。
実際の対応はなかなか難しいのが現状ですが、理解の視点や見通しを持っているだけで、
お父さんお母さんの心に余裕ができることを願っています。
また、子ども家庭支援センターでは、
0~18歳までのお子さんの発達や心の問題、子育て、親子関係などについて、
社会福祉士や臨床心理士、家庭相談員が相談をお受けしています。
行き詰まった時は、1人で悩まず、気軽に相談をしてくださいね。
お待ちしています。
(来所面接の場合は原則、予約制ですので、まずはお電話されることをお勧めします)
○中央子ども家庭支援センター(市役所本庁舎2F)
097-537-5688 (月~金 8:30~18:00)
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