みなさん、こんにちは。子ども家庭支援センターの臨床心理士です。
年末年始はあわただしくて、お母さんやお父さんは大忙し!
本当におつかれさまです。
さて、今回は、
4月に保育園や幼稚園、小学校・中学校に入学を控えた
お母さん・お父さんに向けて、サプリをお届けします。
「幼稚園が決まった」、
「保育園の入園を申し込んだ」、
「就学前健診を終えた」、
「中学の入学説明資料をもらった」・・・。
子どもの新しい生活を数か月先に控えた今、
"〇〇くらいはきちんとできるようになっておかなくちゃ"と力が入ったり、
周囲からプレッシャーを感じたりしていませんか?
子どもの自立にとって、こうした節目でがんばることはとても大事なことです。
一方で、臨床心理士の立場からは、
『できるようになることを急がない』『結果を焦らない』
という視点も、大切にしてもらえると嬉しいです。
それでは、3つの時期に分けて整理してみました。
■幼稚園や保育園入園を控えて ~親子の分離~
幼稚園や保育園入園前は、
"親子が長時間離れる初めての経験に向き合い始める時期"です。
子どもにとって、ママ・パパと離れるのはとても不安なこと。
同じように、ママやパパにとっても、わが子と離れるのは不安なこと。
お互いに不安なこの時期、「練習しなくちゃ!」と意気込んで、
親が子どもと離れようと、がんばることがあります。
しかし、がんばりすぎると、子どもはかえって親から離れたがらなくなってしまい、
ママもパパもストレスがたまるということがあります。
お互いの不安な心にフタをしてとにかくがんばった結果、
親子の気持ちの通い合いが少なくなってしまっているのかもしれません。
そんな時は、無理をせずにひと休みしても大丈夫。
「一度練習をやめたら、二度と離れなくなるのでは...?」と焦らずに、
スキンシップや遊びを多く取り入れて、
「ママやパパはいつでもいるよ」という思いを投げかけてあげるとよいかもしれません。
あるいは、
ママやパパの分身
(例えば、お母さんのハンカチやキーホルダー、親子ペアのグッズ、等)
を探して安心感のお守りを作ってもいいかもしれませんね。
実際には、4月になってみると、必要に迫られて離れて、
幼稚園の先生や保育士の先生が受け止めてくれたら数日で慣れていった、
ということも多いものです。
■小学校入学を控えて ~身辺の自立~
小学校入学前は、
"身の回りのことを自分でできることが求められる時期"です。
「おもらしせずにトイレできちんとできなくちゃ」
「給食を早く食べられないと」
「1人で歩いて登下校できないと」等々...。
残りの数か月間、ついつい厳しく練習させて、
気がつくと子どもが"小学校は大変なところだ..."と、
ネガティブなイメージを持ってしまうことも。
もしくは、子どもが"1人でできなくちゃ!"という緊張感で、
かえってトイレや食事がうまくできなくなってしまうことも。
子どもは、小学校に「期待」と「不安」を持って入学します。
できるだけ楽しいイメージをふくらませていきたいものです。
例えば、すでにうまくできている当たり前の行動を改めて褒めたり、
子どもが楽しみにしている小学校のことをたくさん聞いたりする、等々。
4月の時点で、
学校や家庭でおもらしをする子どもは少なからずいます。
食事のスピードが遅い子どももたくさんいます。
小学校の先生は、そんな子ども達の成長を見守りながら、
保護者と協力し合って一人ひとりに合わせて指導していきます。
一度に全部できるようにすることにこだわらず、親子で大事にしたいと思えることを
1つか2つに絞って一緒に取り組むということでもよいかもしれませんね。
■中学校入学を控えて ~精神的な自立~
中学校入学前は、
"自分で考えて、自分で決める力を大事にしたくなる時期"です。
「部活の日程を自己管理する」
「成績順位が出て受験に影響するから、計画的に勉強する」
「スマホにのめりこまないで生活する...」等々。
そんな親の現実的な心配や忠告をよそに、
子ども達は、
中学校の先輩後輩関係、
となりの小学校から入学する子どもとの人間関係、
校則が厳しくなるなど、
目の前のことをとても気にしています。
そして、早い子どもはもう反抗期に入っています。
親と子が大事にしたいポイントが噛み合わないこともしばしば。
そんな時は、
中学校の生活について、
子どもがイメージしていることをたくさん語ってもらったり、
1日の生活や年間の生活について
、夕食の団らんを使って家族みんなで話してみてはどうでしょうか?
そして、
お父さんやお母さんの中学校時代の思い出を語ってみるのはどうでしょうか?
思春期は、徐々に親という人間が完璧な存在ではなくなっていく時期です。
また、思春期の子どもを持つ親は、
自分が思春期だった頃の生々しい感情がたくさん呼び起こされるようになります。
(そのため、親子共に気持ちが揺れやすく、緊迫した関係になります。)
実は子どもは、そんな等身大のお父さんやお母さんの姿を見たがっています。
無理して良い親を誇示するよりも、
少し肩の力を抜いて、自分の失敗談や悩んだ日々を語り、子どもに差し出すことで、
子どもは"完璧じゃなくても大丈夫なんだ。きっとやり通せる"と、
前向きな気持ちになったり、現実に目を向ける力が育ってくるかもしれません。
■おわりに
新生活を数か月後に控え、スタート地点がはっきりしてくると、
私たちの心は、たくさんの「〇〇したい」という期待感と、
たくさんの「〇〇できなければならない」という課題点を意識するようになります。
子育てで後回しになりがちな
"安心感"や"楽しみ"、"結果ではなくプロセス" にも目を向けて、
少し力を抜いてみてはいかがでしょうか?
それでは、また次回お会いしましょう。
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